運用と保守の重要性

運用、保守というと、どんなイメージをもっていますか?

保守の話を最近聞く機会があったので、あらためて運用・保守の仕事について
考えてみました。

一般的には、派手に見えるのは、やはり開発のフェーズですし、
殆どの人は、開発がしたいと言うでしょう。

ソフトウェアのライフサイクル考えると、運用・保守のフェーズの方が遥かに
長いのではないでしょうか?

システムが動いている間、価値を提供し続けることがシステムを作る際に
求められる要件の一つだと考えると、運用・保守っていうものが非常に重要なもので
あるのは分かると思います。

私は、ソフトウェアが提供する価値というのは、物ができあがった段階で、
全部の価値が提供できたわけではなくて、運用・保守を含めて、本当の価値が
算出できるんだと思っています。

『お客様に近いところで仕事がしたい!』という技術者をよく見かけますが、
お客様に近いというのは、要件定義だとか世間で上流?(私は中流だと思っていますが)
と言われているところをやるしかないと思っているのかもしれません。

実際には保守・運用のフェーズを担当する時も、お客様と一緒に何かを考えたり、
問題を解決するために協力していくような場面が結構あります。

現場でプログラミングをして、お客様とは全く接点を持たないということが嫌なら、
辛い場面も多いですが、運用・保守を経験しておくこともいいと思います。

実際にアーキテクトやプロマネの人で優秀だと思った人の半分以上は、
運用・保守の担当をしたことがある人達でした。

システム開発は、作り終えたら、それで終わりじゃない。
そこから本当に価値が提供できるのかは決まるんだってことを
考えたほうがいい。

保守・運用の人間が苦しむシステムをいいシステムとは、
私は言えない。

運用・保守の人間を下に見るような人がいるなら、一度やってみるといいですよ。
技術力以外の色々な力が必要であることが分かると思います。

リスクを考えた上で、すばやい判断をしなければなりませんし、
システムのダウン時間が長引けば、サービスを提供しているお客様が信用を失います。
信用を失えば、お金だけでは計れない影響が長期に残ります。

ソフトウェアのライフサイクルを意識して、どういう価値を提供していかなければならいか?
価値を提供するには、何をしなければならないかを考えると、保守・運用っていうのは、
開発フェーズと同等かそれ以上の価値がある仕事です。

私は、実際に現場で保守・運用を行っている人達を尊敬しています。
何かあればマイナスの評価を受けがちでプラスの評価を得ることが難しい中で、
頭と体を使いながら、どうすれば上手くいくのか試行錯誤している人達に
現場でぬくぬくやっている人がいたとしたら、勝てるところって実は少ないん
じゃないかと日々思って過ごしています。