透き間

クラウドクラウド言ってる人を聞いてると、
それって儲かるの?という疑問で一杯になることが多い。

評論家的な話ばかりで、どこでどう収益あげるんだろう。
規模の経済じゃないけど、膨大な設備と技術力とノウハウを持つところと同じ土俵で勝負しても先はないし、
価格競争に巻き込まれて体力がないところは消えていくだけ。
夢だけでは飯は食えないのです。

例えば、SaaSやPaaSやHaaSだとかはじめるとして、どんな値段で誰をターゲットにするんでしょう。
今もう既に提供している有名どころと同レベルまでのものかそれ以上のもの提供できますか?
損益分岐点はどのあたりなんでしょう?(それを将来超えることができる計画がありますか?)
なんとなく見てると、恐らく薄利多売が基本になるんじゃないでしょうか。
薄利多売になれば、体力があるところが勝ちます。
ブランド力も影響をもちますし、多売は小さなところでは難しい。キャッシュももたない。
ここでいう小さいところというのは、相対的な規模で普通の大企業と言われるところも入る。


それも踏まえた上でどこで食べていくか?という透き間を狙うのがほとんどの企業の狙いになる。
外に出るものは無視して、内に残るシステムにフォーカスした手厚いサービスを提供するだとか。
インフラ周りは捨てて、その上のサービスで本当に価値のあるものを他の会社のインフラを利用して提供していく。
サービスと企業を結びつけるような仲介的なところだとか。これはSIに近いのかもしれませんね。ハード、ソフト、構築の結びつけ的なところということで。
大きな雲の透き間の小さな雲としてどんな役割を果たすのかをはっきりと明言できるかどうか。

極限まで抽象化すると、クラウドって、どのレイヤーまでを範囲にするかどうかという違いはあるけど、一言で言えばリソースの切り売り。
また別の方面から見ると、インフラなのかアプリケーションなのかという違いはあっても、すべてサービス。

GoogleとかAmazonとかSalesforceだとかが積み上げてきた大量のサーバなりアプリケーションを運用する技術やノウハウというものは
簡単にはほとんどのところは真似できないでしょう。そしてどれだけの費用と時間をかけてここまでのもの資産を持ち得たのかを
考えれば、障壁がかなり高いことは容易に気付くこと。これは、なかなか真似ができない強みです。

誰に対してどんなサービスを提供し、どんな価値をお客様に感じてもらうことを目指すのかを考えて、
それにして現実的なコストと売り上げを考える。
差別化できない強みはすぐに真似されて意味をなさなくなる。
最低限の技術力はあって当たり前。強みを提供するために技術は使われる。
ほとんどのところでは、透き間をぬって利益をあげていく技術力ではなくサービス力が求められていく気がする今日このごろ。