顧客満足

どこでも話題にあがるものとして、顧客満足度のアップというものがあります。

これに関して、顧客満足をあげるということを目指すからといって、
顧客の要求をすべて満たすことを目標にすることは間違っています。
それを全部満たしたことで顧客満足が得られるか?というと実際は次から次に
要求が増えていくだけだったりします。さらに要求のハードルは上がっていき、
満足するサービスレベルも高くなっていきます。

これによって、それぞれのものに対して、使用できる時間が減ってしまうことで、
全体のサービスレベルが落ちて結局お客様に迷惑をかけるということもあります。

さらに、お客様毎に提供するサービスレベルに違いはあります。
企業にとって重要顧客と考えられるお客様については、手厚いサービスを提供。
それ以外については、それ以下のサービスレベルで対応します。

企業は、利益を出していかなければならないわけで、これは至極当然です。
重要顧客と考えられるお客様をロストすることは、その他のお客様をロスト
するのと比べて、数十倍のインパクトがあります。

ここで重要なお客様をロストした場合、新規のお客様をどれだけ増やさなけ
ればならないか?
さらに、新しいお客様は継続して使用していただけるか読むことはできません。

顧客満足は、基本支払った対価と受けたサービスの間でバランスがとれているかという
数字ではかれるものと、サービスを受けた人が感じた心理的な印象で判断されます。
過剰なサービスを行うことをお客様は本当に求めているのでしょうか?
最低限の要求を満たした上で、それより少し上の満足を得られるだけのものを提供していく
ことで実際には十分であることが多いのではないでしょうか。

このあたりのことは、一定規模以上のCRMシステムに関わっていたときに
実際の業務について勉強したり、CRMそのものについて文献を必死に
読んでいたときに学んだことだったりします。

何のために顧客満足を目指すのか? 

継続して利用いただくことで、お客様に対する知識も増え、
他のサービスにスイッチする際のコストをお客様に感じていただくこと。

そして、使用するお客様に信用頂くことでさらに大きな金額を使用いただける
ようにすること。

あくまで利益を守ることと利益を増やしていくことが目的です。

過剰サービスをしていくと、結局は利益は目減りするだけだったりします。
これは目的とズレていませんか?

顧客満足を目指したことで企業自体が痩せていくようであれば、
サービスレベルを維持することは難しくなります。
結局はお客様に迷惑をかけることに繋がります。

自己満足と顧客満足は別ものであること。
それぞれ何の目的のために話題にあがるものであるのか冷静に考える必要性を感じる
今日このごろです。